わくわく授業 亀井喜久男先生の数学

ひもを使った、中学生の図形の授業。

段ボールを抱えて教室に登場した亀井先生。26人の生徒を前にまず取り出したのは、古代エジプト文明の象徴「ピラミッド」の写真でした。数学の時間に予想外の写真をみせられて、生徒たち、思わず身を乗り出します。  なぜ数学でピラミッドか?それは、ピラミッドの土台が正確な「正方形」で出来ていることに注目させるためでした。どうやって古代エジプト人は「直角=90度」をはじき出し、精密無比な正方形、そしてピラミッドを作ることができたのか?  それが今回の授業の出発点です。  次に先生が取り出したのは、輪になった一本のひも。亀井先生が考案した教材で「エジプトひも」と名付けたものです。輪になったひもには、全体を12等分する目印がついています。この「エジプトひも」を使えば定規もコンパスも使わずに、正方形や正三角形を作り出せるというのです。  なぜ12等分なのか。先生は、暦や時計、星座、干支など、12という数が古くから世界中で人々の暮らしと深く結びついてきたことを話し、12という数字の「不思議なパワー」に目を向けさせます。そして、図形の学習では、この12の目盛りを使って簡単に正三角形、そして直角三角形もできることを気付かせていきます。

自分の創意工夫によって解法を考える、というのは、数学で一番面白いところだと思う。この授業は、ひもを使うことで、だれでもいろいろな方法を試せるようになっていて、最後には、校庭に巨大な図形を描くことまでやらせてしまう。

平成教育委員会などでは、物理的な教材を使って回答者に算数の問題を解かせることがある。実際の授業でも、もっと道具を使ってもいいんじゃなかろうか?植木算なんて、ものすごく簡単に理解してもらえると思うんだが。