わくわく授業 田尻悟郎先生の英語

わくわく授業で、一番楽しみにしている田尻悟郎先生の英語。

田尻先生は、「テストで点数を取れるようにするのは、先生の仕事」と言います。そのために、先生が考えたのは、テスト問題を事前に生徒に配布してしまうこと。その事前テストを受けた1年生からは、書取りが苦手なことが判明した。  テストまでの2週間、書取り問題の克服の授業が始まりました。丸暗記するのではなく、確実に綴りをマスターしていく方法とは何か?平均点が、30点以下から95点となった秘密は?  その鍵は、文字ごとに決まっている、読み方のルールを体で覚えることです。例えば、「ba」という文字には、【バ】と【ベイ】という読み方があることを覚えると、「bat」の【バ】や「baseball」の【ベイ】という音を、「ba」と書き表すことができます。こうしたルールを覚えれば、丸暗記をしなくても、正しい綴りをマスターすることができるのです。  さらに先生は、放課後に勉強会を開き、生徒一人一人がルールを体に染み込ませるまで、徹底的につきあいます。

個人指導や家庭教師のバイトをした人なら誰でも理解できると思うんだけど、理解度チェックのためのテストをやって生徒の点数が悪かった場合に、なにもフォローをしないっていうのは考えられない。教師は、理解度を測定するのが仕事なのではなく、生徒の理解度を上げることが仕事なんだから。

その点で、田尻先生のように、テスト問題を事前に配布して全員が9割をとれるまで指導する、っていうのは100%理にかなっていると思う。平均点が90を超えるテストなんてテストじゃない、なんてことを言う人もいるかもしれないが、塾の先生が生徒に90点をとらせてあげたら拍手喝采なのに、学校の先生が生徒に90点をとらせてあげたら文句を言うっていうのはおかしい(もちろん、意図的に簡単な問題を出すという場合は別として)。勉強会で全員の底上げをする一方で、英語が得意な生徒に対しても、自学ノートでいくらでも勉強できる手段を用意しているところも素晴らしい。もちろん、生徒数が多い学校であれば現実的な方法ではないけど、それなら先生を増やせばいい。

海外に行ったときに、

  • 「いやぁ、英語は得意じゃないんですよ」
  • 『何年くらいやってるんですか?』
  • 「えーっと、中学、高校、大学で10年」
  • 『……』

とかいう状況がすでにおかしい。「10年やってそれかい」とか思うっしょ、ふつう。

繰り返しになるけれど、教師の目的は理解度を測ることではなく、理解度を上げることなんだという当たり前のことを認識した。