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院生の頃に一度読んだ本。新書という軽さと、まとまりの良さで気に入っていて、ふとまた読みたくなって、実家に取りに戻ったところ見当たらなかったので、結局買いなおしてしまった。
西行のどこが好きかというと、一般に、わびさびとか、無常とか言われる乾いた空気の中に、ちょっとだけ心の迷いというか、人間味といおうか、いわばじめっとした湿気のようなものを感じるところ。西行といえば桜がすぐに連想されるけど、それ以外にも、出家したときの歌や、晩年の勧進の旅で見た富士山など、気持ちのいい歌が多数ある。
ともあれ、いくら混雑していようと、一度は吉野山へは行かねばなるまいと改めて思った次第。
