ローマ人の物語 (7) ― 勝者の混迷(下) 新潮文庫

ASIN:4101181578

同盟者戦役を経て、マリウスからスッラの時代へと進んでいき、そしてポンペイウスが登場。そして、とうとうカエサルという名前が登場し始める。

スッラはローマ政体の建て直しを元老院強化によって行おうとしたが、その際、まず独裁官となって改革を推し進めたのち、みずからその職を辞して隠居した。スッラが目指した元老院による寡頭制の強化のためには、独裁官のように一人が強大な権力を持ってはならないゆえとのことだったが、最高権力者の座にしがみつくことなく、やるべきことをした後は、その自己矛盾ゆえに潔く身をひくというのはなんとも印象的だ。

もっとも、結局スッラの行った元老院復権は、その後無に帰してしまい。やっぱり別の方法が必要なんじゃないかということで、ポンペイウスを経て、カエサルの登場につながっていく。

でも、ポンペイウスって、戦えばいつも勝っちゃうし、あっという間に海賊は討伐しちゃうし、凄い結果を残してるんだけど、カエサルと時代が重なっちゃったのが不運だったんだねぇ。