わくわく授業 人見和宏先生の美術

コクーンにとってもらった、先週のわくわく授業をやっと見る。

滋賀大学教育学部附属中学校の人見和宏先生(39)は、マルチメディアを駆使して生徒が美術作品への興味を深める授業に取り組んでいます。今回人見先生が取り上げた題材は、誰もが一度は目にしたことがある俵屋宗達作、国宝「風神雷神図屏風」。  先生は、生徒一人一人に紙で書いた屏風の枠とバラバラにした風神・雷神の全身像を配ります。自分なりに想像して新たに屏風を作ろうというのです。  風神・雷神はそれぞれ屏風のどのあたりにいて、どちらを向いているのか?生徒達は髪や服のたなびき方、体や足の向きから自由に構図を推測します。中には「風神を雷神が追いかけている」「雷を落とす雷神は下を向いているはず」とストーリーを創作して構図を考える生徒もいます。  続いて先生が取り出したのはベニヤ板で作った実物大の風神雷神図屏風。生徒達は自分達が作ったミニチュアの屏風と実物を見て比べます。なぜ俵屋宗達は風神・雷神を屏風のからはみ出させたのか?屏風を立てて折り曲げて見ると見え方はどう変わるのか?雷神はなぜ白く描かれているのか?先生はコンピューターグラフィックも織り交ぜながら屏風に隠された宗達のねらいについて考えさせます。 単に知識を覚えるだけではなく、美術作品を楽しむ心を育む人見先生の授業を紹介します。

美術鑑賞の授業で、解釈を押し付けるのではなく、生徒自身に、自分の解釈を考えさせるのが面白い。OHPシートを切り取った風神雷神を使ってもらうことで、自分で色々とトライできるから、生徒もあれこれとユニークな解釈を作り出せるのだろう。実物大の屏風レプリカも良かった。「屏風特有の空間の広がり」なんて、口で説明するよりは、見せたほうが早い。

授業で、パワーポイントを使っているのも面白かった。確かに、論文発表とか、ミーティングではパワーポイントは必須といってよいのだから、授業で使わない手はないのだけど、意外とこれまでのわくわく授業を見ていても出番が少ないように思う。プロジェクタとPCが必要だからお金はかかるかもしれないけど、Keynoteでアニメーションをふんだんに使えば、算数の文章題なんか、すごくわかりやすく説明できると思うんだけどなぁ。(平成教育委員会の正解解説みたいなイメージ)