ローマ人の物語 (9) ― ユリウス・カエサル ルビコン以前(中) 新潮文庫

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この巻は、ガリア戦記五年目まで。ガリア戦記の前半ともいうべき内容で、ここからカエサルの快進撃が始まる。

自分の無知をさらけだすのも恥かしいのだけど、いままで系統立てて世界史を習ったことがなく、中学レベルで止まってしまっているので、カエサルといえば「軍事の天才」くらいのイメージしかなかったのだけど、彼の最も偉大な才能は政治家としてのそれにあったのだということが分かり、とても勉強になった。おまけに文才まであったのだから畏れ入る。

また、彼は常に「寛容の精神」を忘れず、どんな状況でも余裕を持ってことにあたったという。敵対する者から挑発されても、「同じレベルに下がってムキになるのは馬鹿らしい」と冷静に対処できたとか。ああ、熱くなりやすい自分としては見習わなければ…。